いっちゃん聴いた2019年のmusic 5選

 

お久しぶりです。A$APファミリーの常日頃デニムしか履かないA$APdenimです。もう少しで終えてしまう2019年、令和元年。国内外限らず多くのミュージックシーンが盛り上がりました。一方で、鎮座の逮捕やjuice wrldの死去は耐え難いものでした。そんなことし私が聴きに聴きまくった曲を紹介したいと思います。

 

GOKOH/踊foot works featオカモトレイジ (GOKOH)

rodeo/tohji (angel)

ミルクチョコレート/yonawo (ミルクチョコレート)

桃源郷とタクシー/mega shinnosuke (桃源郷とタクシー)

hug/空音.kojikoji (hug)

 

 

1. GOKOH/踊foot works featオカモトレイジ (GOKOH)

『逆さまの接吻』『髪と紺』などヒップホップの枠組みを超えた楽曲が人気で、今ノリに乗ってるバンド踊foot worksとヒップホップ・クラブシーンのどこにでも現れるokamoto'sドラム奇人変人オカモトレイジによる楽曲で、個人的に今年一番聞いた曲。6/17福岡のリリパを兼ねたthings we say specialでは、トリを担いフロアがブチ上がったのはいい思い出。私が一番好きなリリックは、ジーレイちゃんの『リンガディンドン』。もう意味が分からない。だけど、そのグルーブ?ノリ?みたいなのが死ぬほど刺さり、アルバムが公開され前、先行でyoutubeにあげられたpvでそのところをレコードなら擦り切れてしまうくらいリピった。fanoma’氏脱退が最近報告されたがこれからのオドフットに後光がささることを祈るばかりだ。

 


踊Foot Works - GOKOH feat. オカモトレイジ - Music Video Short Ver

 

 

 

2.rodeo/tohji (angel)

今年をブチあげたのは間違いなくtohji。絶対に。8/7に公開されたアルバム『angel』は、tohjiカラー一色で、多くのファンが『tohjiは日本には早すぎる』と語るように、彼の先を見据えた、誰も到達しえない場所へ向かう意思が感じられるアルバム。そのアルバムに収録されており、サンクラにしか上がってない時から聞いてた。もう日本代表でいいくらいのトラップ系ラップのrodeo。何を思ってrodeoと名付けたかはわからないが、ただ彼が暴れ牛のように力強い何かを手名付けて、乗りこなしてしまい誰も見たことのない場所へ向かおうとする、そんなラッパーとしてのセンスの光る楽曲だ。j-hip hopの冷たい視線を温めてほしい。


Tohji - Rodeo (Official Music Video)

 

3.ミルクチョコレート/yonawo (ミルクチョコレート)

個人的に思い入れが強いアーティストyonawo。3月に行われたthings we say special。私は大好きなchelmicoとstuts、tendoujiを目的に、初の椎名林檎嬢以外のライブに参加した。福岡出身の4人組バンドyonawoはそのライブのオープンニングアクトを務めた。もうほんとに最高にchill。初めてのライブ、初めての会場と彼らの楽曲だったが自然と体が揺れ、浸ってしまう。それ以来彼らの楽曲を聞くようになった。シングル『ミルクチョコレート』はyonawoがメジャーデビューして初めての楽曲。リリックにお茶会ってあるが、一日のどの時間帯にもあうとろけるようなメロウな楽曲。前向きな暗さ。明るい失恋。そう形容してしまうほどのエモ。失恋して死ぬほど聞いたからかもしれないが、彼らの音楽にそう感じざるを得ない。


yonawo - ミルクチョコ【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

 

4.桃源郷とタクシー/mega shinnosuke (桃源郷とタクシー)

この曲を聴いたとき「あっ、こいつ超センスある」と感じた。彼は福岡出身で、年は自分より三つほど下なのに、これほどのtrackを手がける利器用。ポスト〇〇なんて言われて世間に寵愛されるのも時間の問題。この作品は、pv込みで好き。このvapour waveテイストの映像のかつてゲームキッズの心をくすぐる感じ。vapour最高。曲ももちろん最高だ。なんたってtempalayのaaamyyyがコーラスとして参加している。また、彼自身リリックにもこだわりがあり、『馬鹿はバカで駆けてる』のところは、馬(バカ)がパカパカと駆ける様を表しているそうだ。すごい。シンプルな文章に簡単に情景を思い描かせるこの言葉あそびようなトリック。来年の彼がどう駆けていくのか楽しみだ。


Mega Shinnosuke - 桃源郷とタクシー (Official Music Video)

 

5.hug/空音.kojikoji (hug)

今年一番輝いたのは間違いなくkojikojiさん。令和のシンデレラクイーンなら彼女だ。彼女はインスタグラムに弾き語りを載せていたごく普通の女子大生であったが、basi&唾奇『愛のままに』のカバーが、本人太鼓判で瞬く間に広がり、アコースティックギターでヒップホップをカバーする今まで予想もつかなかったそのメロディーが多くの人々の心に刺さった。そんな彼女による空音とはじめてのオリジナルの曲『hug』。可愛いもうかわいいすぎる。ヒップホップっていうとやはりゴリゴリ感があって嫌いな人、特に日本ではあまりウケない。だが、このふわふわしたような愛があふれることを歌ったヒップホップがあることを伝えたい。夢を見る女子のような優しい世界。すぐにでも消えてしまうような灯のような彼女の優しい歌声。2019で一番優しい曲そう感じた。来年は初の彼女のEPが出るので、すでに期待であふれている。


空音 / Hug feat.kojikoji (Official Audio)

insta:kojikoji-i2

 

 

丸の内サディスティック

私の林檎暦は2013年の高校一年の頃からで(そのころから林檎が活動再開し始めた)、やはり椎名林檎と聞くと40~50代あたりの中年代のイメージが強く、私より少し年上の者かまたはマセタ同級生たちは東京事変のボーカルというイメージが強く、なかなか林檎の曲を知っているものが少なかった。そして、福岡での大学生活を迎えるにあたり、ちらほら林檎の曲を知ってる者を見かけるようになるが、きまって、皆口をそろえて、「丸の内サディスティックがすき」「歌詞は意味わかんないけどエモい」というのだ。確かに、丸の内サディスティックは名曲であり、初めてその曲を聴いたとき何を訴えたいのか分からなかった。そんな気持ちを抱いて林檎暦6年目に突入する今日のバイト帰り、地下鉄を降りたときにふとプレイリストからこの曲が流れたとき、およそ1/20世紀の時を経て、私の謎が紐解かれたので語りたい。

 

【楽曲詳細】

丸の内サディスティック

2枚目のシングル『歌舞伎町の女王』収録のカップリング曲

参考:

東京事変 - 幕ノ内サディスティック - YouTube

 

1.新宿系椎名林檎=新宿=カオスティックな街

ー新宿に集まるバンドマンにとっても、娯楽のジャンルも世代も人種もばらばらな人たちが集まる混沌が心地良いんだと思うんですよね。(鶉野)

―「新宿系」という統一したカテゴリーが存在したわけではない。でもフォークもそうでしたし、バンドムーブメントもそうでしたし、演歌もロックもクラブも……と、時々の時代の先端を行く音楽がカオティックに新宿に集まってきたという見方もできますね。

柴本:そうですね、新宿歌舞伎町自体がアバンギャルドな街ですから。

大塚:だから、ミュージシャンに愛される街なんだと思いますよ。ー

引用:

www.cinra.net

林檎が福岡から上京し、作曲活動の拠点としていた新宿が多様性に満ちた場所であることがわかる。

2.1998年の日本経済

丸の内サディスティックは椎名林檎二枚目のシングル「歌舞伎町の女王」のカップリングとして1998年に発売された。1998年の日本経済はいわば平成不況の真っ只中であった。バブル崩壊の波をうけ大手証券会社山一証券の倒産、消費税率引き上げにより景気は後退していく一方であった。

 

3.1998年新宿=椎名林檎の新宿系世界観

決して経済的にいい時代ではないし、そうゆう時代に安定した職業に就職せず、上京し、夢を追いかける若者たちで雑木林のような街となった新宿。新宿系と呼ばれた初期の林檎嬢の曲はどこか陰鬱であり、清純とは言い難い、アバズレチックな女性像だが、反骨精神のような生命力のような力強さがみられ、日本全体の陰鬱な空気に囲まれながらも求道する新宿若者の精神がみられる。

4.歌詞の分類

丸の内サディスティックの歌詞は、「歌舞伎町の女王」のようにストーリー性が全くみられない曲である。しかし、この曲の歌詞を分けて解釈していきたい

5.マーシャル・グレッチ・ラット・ベンジー浅井健一blanky jet cityのヴォーカル)=椎名林檎ベンジーへの敬愛・憧れ

歌詞に登場する「マーシャル」「グレッチ」「ラット」これらはベンジーことBLNANKY JET CITY(以下bjc)のボーカル浅井健一の使用しているアンプ、ギター、エフェクトであり、彼は林檎嬢が敬愛してやまない人物で、歌詞にある「ピザ屋の彼女になってみたい」とはbjcの『ピンクの若い豚』に登場する「ピザ屋の彼女」のことと思われる。

ピンクの若いブタ/BLANKEY JET CITY - 歌詞検索サービス 歌詞GET

つまり「マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ」「そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴って」は、まだデビュー前後のおそらく指標(ピンクの若い豚を聞けばわかるようどことなくデビュー当初の林檎の楽曲はbjcの影響を受けたように思われる)にしてる林檎の憧れがうかがえる。

6・残りの歌詞=①自身の経験説②林檎視点の東京の多様性説

ようやく難解であった歌詞の半分が紐解かれたが残る歌詞の

報酬は入社後並行線で
東京は愛せど何も無い リッケン620頂戴 19万も持って居ない  御茶の水

最近は銀座で警官ごっこ 国境は越えても盛者必衰 領収書を書いて頂戴
税理士なんて就いて居ない 後楽園

将来僧に成って結婚して欲しい
毎晩寝具で遊戯するだけ

青 噛んで熟って

終電で帰るってば 池袋

これらを紐解いていきたい頂戴

7・①自身の経験説

この説を裏付ける鍵が「リッケン620頂戴 19万も持って居ない」である。

丸の内サディスティック発売から二年後の2000年に発売された「ギブス」のpvでは実際にリッケン620を手にし、初期の林檎は度々リッケン620を使用している。このとから、残りの歌詞が自身の経験をもとに書かれたと思われるが、警官ごっこや僧と結婚したいことに関する情報がなかったので断定しがたい。そこである方の丸の内サディスティック観を述べていたのでぜひ、丸の内サディスティック観を深めるために見ていただきたい。

椎名林檎『丸の内サディスティック』の歌詞の意味がどこよりも分かるページ | チンパン草

 

8・林檎視点の新宿(都会・東京)の多様性説

この歌は林檎自身のベンジーに対する憧れ、狂愛であることは、先ほど述べ、大方の人々もそのように感じている。しかしここで、私は「僧になってほしい」と「毎晩寝具で遊戯する」この二つに焦点を当てたい。なぜ禁欲的な生活の僧と淫らな日々を送りたいと思うのか疑問であった。椎名林檎という女が背徳的な性を欲求していたといえばそれまでなので、ここで私の新しい定説を述べたい。

残りの歌詞=新宿(都会・東京)の人々と考えてみることだ。

ー報酬は入社後並行線で
東京は愛せど何も無いー


ー最近は銀座で警官ごっこー

ー国境は越えても盛者必衰ー

ー領収書を書いて頂戴
税理士なんていて居ない 後楽園ー

ー将来僧に成って結婚して欲しいー

ー毎晩寝具で遊戯するだけー
ー青 噛んで熟って頂戴ー

ー終電で帰るってば 池袋ー

一度このように区切ってこれらの歌詞の視点が林檎自身ではなく林檎視点からみた都会の人々として考える。

※ここからは私の個人的な推測、妄言にすぎないのでなんか語ってんなというスタンスで見ていただきたい。

場所は東京。東京メトロ丸の内線(たぶん)のどこかの駅の校内。帰り。電車の狭い扉を掻き分けながら進み、目指すは改札口。向かう乗客たちの足音がリズムを刻む。(イントロのパーカッション)

1998年の景気はまるでよくならず。さっきほどの車内で目に映った、同世代の若者、帰路に着くサラリーマンやOL、または、耳にした銀座での事件、無関係な乗客の性癖、電話越しの会話。こんな憂鬱な時代に、音楽をつづけることに全く迷いが無いといえば噓になる。この陰鬱さを打ち砕いてくれる唯一の救いは憧れのベンジー。19万のリッケン620には手が届かない。東京(または新宿)の多様性は、福岡と違い、まるで国境を越えたかのようなカルチャーショック。それを感じてるのは私だけでない。いまにもこのとてつもない大きな存在に飲み込まれそう漠然とした不安。ベンジーだけが私に喝を入れてくれる。ここに集まる(新宿)人たち(同業者)はみな個性にあふれてる。この中から頭ぬっきん出たものだけがデビューできる。プレッシャー。ベンジーを聞いて夢を見ていた福岡のわたし。それをたたき起こしてくれるのは、ベンジーだけ。東京メトロ丸の内線のサディスティックさ。この押しつぶそうとする不安をサディスティックと官能的に表現してしまうのは、音楽を続けてるときにふとベンジーに近づけてると感じるナルシシズムが心地よいからかも。

 

まとめ

都会のコンクリートジャングルにひしめく人々という大きな存在のなかで埋没してしまいそうになる自我と自分の理想,夢、憧れにを求めることの狭間で疲労困憊した者への心の寂しさを埋めてくれが故にエモいと皆そろえて言う理由なのだと思う

P.S.日本文学N教授のようなレジュメ形式を意識し、はじめての試みなので存分に広い心で読んでいただき誠にありがとうございます。